2026/06/03
はせがわ農園は、静岡県富士宮市で、肥料や農薬を使わない自然栽培に取り組む農園です。
桃・お米・野菜を、季節に合わせて多品目育てています。
農園の作業は基本ひとりで行っていますが、必要なときに福祉施設の方にサポートいただくこともあります。
種は固定種にこだわり、人参とお米は自家採種も続けてきました。
「やさしくて、どこか懐かしい味がする」と言っていただけることが多く、必要としている方のもとへ届けたい一心で、日々畑に向き合っています。
桃は自分が食べたかった果樹で、少量多品目の野菜づくりの延長で始めたもので、現在桃の木が10本。
毎年「美味しかった」「感動した」といった声をいただくことが多く、励みになっています。

農業を始めたきっかけは、まず「自然の力を活かす農」に触れる機会があったことでした。
自然農法の考え方に出会い、「理屈や理論がそのまま自然界に当てはまるとは限らない」という言葉に、強く心を動かされたのを覚えています。
その後、テレビで見た「奇跡のリンゴ」で有名な木村秋則さんの特集に衝撃を受けたことで農業の道へ進むことになりました。
当時自分がファンだった番組の出演者の方が、リンゴを食べた瞬間に思わず表情が変わるほど驚いていたのがとても印象的で、この顔は本物だと思いました。
そんなりんごなら「自分も食べてみたい」と思ったことが、今につながる最初の一歩になったのです。
それから、なんと地元の札幌から通えるところに木村さんの農学校があることを知り、翌年から通い始めました。
学びと研修を重ね、2016年に静岡県富士宮市で就農しています。
よく「無農薬=減農薬を積み重ねた先にたどり着くもの」と誤解されがちですが、実際はそうではないと考えています。
農薬は畑の生態系や作物の力(免疫)のバランスにも影響するため、無農薬で続けるには、虫に食われる時期も含めて、畑が生態系を取り戻すまで粘り強く向き合うことが必要だと感じています。
実際、自然栽培を始めた当初は、周りが観光栽培が当たり前だったので理解を得られず苦労した時期もありました。
「無農薬なんて無理だ」と言われたり、心ない言葉をかけられることも…
それでも畑と向き合い続けられたのは、地域や周りの支えがあったこと、そして何より「やり切る」と決めた強い思いがあったからだと思っています。
農業を始める前はアルバイト中心の生活で、何か定職に就きたいと必死に考えていた時期もありました。
だからこそ今は、自然栽培に向き合える毎日をありがたく感じています。

はせがわ農園では、農薬や肥料を使わない自然栽培を大切にしています。
外部資材を極力持ち込まず、畑の環境全体で四季を通して生態系が繰り返す働きを、なるべく壊さないこと。
果樹は特に、微生物や昆虫などの虫たちと木が共生できなければ、無農薬で育てるのは難しいと感じています。
そのため、自然の循環に沿った畑づくりを続けてきました。
土の中の世界を守るために、耕起の回数をできるだけ少なくするよう、作業計画も工夫しています。
固定種や自家採種にこだわるのは、日本に昔からある種を受け継いでいきたいという思いがあるからです。
もし自家採種をする人がいなくなり品種が途絶えてしまえば、二度と同じ品種を復活させることができないかもしれない。
そんな危機感もあり、できる範囲で続けています。

自然栽培の果物は本当に美味しいと感じているので、今後は生産量をできる限り増やし、より多くの方に届けていきたいです。
現時点ではひとりでの作業が中心ですが、状況に応じてサポートをお願いしながら、無理のない形で続けていきたいと考えています。
桃はこれまでお客さまから好評をいただいていて、自信のある作物のひとつです。
ただ、自然栽培は収穫のタイミングが難しく、早採りができないなど、毎年悩みながら向き合っています。桃は収穫直前に甘みがぐっと乗るため、熟す2〜3歩手前を見極めることがとても大切。
収穫が始まると、木の中でも2〜3日ほどで一気に収穫期が進みます。
だからこそ、桃とお米の品質を安定させながら出荷できるよう、畑の状態を見て一歩ずつ整えていきます。


静岡県富士宮市で無肥料無農薬の自然栽培で果物、お米、野菜を生産しております。
外部資材を極力持ち込まず、環境への負荷を減らしながら、作物本来のおいしさを引き出すことを大切にしています。
固定種にこだわり、人参とお米は自家採種も継続。
「やさしくて、どこか懐かしい味」と評される旬の恵みを、産地から丁寧にお届けします。
