
2026/07/08
ブルーベリーの花が咲く頃になると、畑には頼もしい仲間たちがやってきます。 その主役が、このマルハナバチです。 花から花へと忙しそうに飛び回り、一生懸命に蜜や花粉を集めています。その姿はとても愛らしく、思わず作業の手を止めて眺めてしまいます。 実は、この小さな働き者たちはブルーベリー栽培に欠かせない存在です。 ブルーベリーは、花粉がしっかり運ばれることで実つきが良くなり、大きくて美味しい実が育ちます。その大切な受粉を手伝ってくれるのがマルハナバチたちです。人の手ではとても追いつかない仕事を、小さな体で毎日黙々とこなしてくれています。 畑では、私たち人間だけが果物を育てているわけではありません。 太陽の光や雨、土の中の微生物、そして虫たち。たくさんの自然の力が合わさって、ようやく美味しいブルーベリーが実ります。 収穫の時期には主役になるブルーベリーですが、その何か月も前には、こんな小さな名脇役たちが大活躍しています。 ブルーベリーの実を口にするとき、ぜひその背景にいるマルハナバチたちのことも思い出していただけたら嬉しいです。 畑では、「ブーン」という羽音を響かせながら、小さな働き者たちが元気に飛び回っています。その姿を見ていると、「今年も美味しいブルーベリーができそうだな」と、自然と期待が膨らみます。

2026/07/08
畑で作業をしていると、ときどき思わぬお客さまが姿を見せてくれます。 この日出会ったのは、ミヤマカラスアゲハ。 黒い羽に青や緑の光沢が入り、太陽の光を受けるたびにキラキラと色を変える、とても美しい蝶です。ひらひらと優雅に飛ぶ姿は、思わず見とれてしまうほどでした。 畑では毎日忙しく作業をしていますが、こんな瞬間があると自然と手が止まります。 果樹園というと、果物だけが育っている場所と思われがちですが、実際にはたくさんの生きものたちが暮らしています。鳥やカエル、昆虫たち、そして季節ごとに姿を見せる美しい蝶。 同じ場所でも、季節が変われば出会える生きものも変わります。 もちろん、作物に影響を与える虫もいますが、こうして畑を彩ってくれる生きものたちに出会えるのは、自然の中で農業をしているからこその楽しみです。 忙しい毎日の中でも、ふと顔を上げると美しい景色や生きものたちが迎えてくれる。そんな時間があるからこそ、畑での仕事は大変なだけではなく、とても豊かなものなのだと感じます。 今年もdeai orchardの畑には、さまざまな命が集まっています。 美味しい果物だけでなく、そんな自然の風景も一緒に楽しんでいただけたら嬉しいです。

2026/07/07
こんにちは!出合の孫です! 先日、プラントエンジニア(横文字にするとなんだか格好いいですが、ちゃんと本当に電気系エンジニアです!)の父・よってぃが、ぶどう畑を案内してくれました。 改めて畑を見渡してみると、本当にきれいに整備されています。ぶどうの樹が一直線に並び、作業がしやすいよう工夫された棚や通路。一つひとつに父のこだわりと積み重ねが感じられます。 そして何より驚くのは、この畑をほとんど一人で作り上げ、今も管理しているということ。 私は農学部で学びながら畑仕事を手伝うことがありますが、実際に作業をしてみると、その大変さを身をもって実感します。剪定や草刈り、水管理、収穫準備など、畑には毎日やることがたくさんあります。一つひとつの作業だけでも大変なのに、それを一人でこなしながら、この美しい畑を維持している父は本当にすごいなと感じます。 家族だからこそ照れくさくて普段はなかなか言えませんが、心から尊敬している自慢の父です。 美味しいぶどうの裏側には、毎日の地道な作業と長年積み重ねてきた経験があります。そんな父の背中を見ながら、私も少しずつ農業について学び、畑での時間を大切にしていきたいと思います。

2026/07/07
ぶどう畑では、袋がけを前にしたぶどうたちが、日に日に大きく成長しています。 写真に写っているのは、シャインマスカット、クイーンニーナ、雄宝(ゆうほう)など、それぞれ個性豊かな品種です。 まだ袋をかける前なので、果粒の様子がよく見えます。ひと粒ひと粒が少しずつ大きくなり、房全体もふっくらとしてきました。これからさらに暑い夏の日差しを浴びながら、甘さを蓄えていきます。 袋がけは、ぶどう栽培に欠かせない大切な作業です。病害虫や雨風から果実を守るだけでなく、傷がつくのを防ぎ、美しい見た目のぶどうに育てる役割もあります。そのため、一房ずつ丁寧に確認しながら袋をかけていきます。 袋をかけてしまうと収穫まで果実を見る機会は少なくなるので、この時期はぶどう本来の姿をじっくり観察できる貴重なタイミングでもあります。 シャインマスカットは爽やかな甘さとパリッとした食感、クイーンニーナは鮮やかな赤色と濃厚な甘み、そして雄宝は大粒で食べ応えがあり、それぞれに違った魅力があります。同じ畑で育っていても、実の形や色づき方、成長のスピードは少しずつ異なり、見比べてみるのも楽しみの一つです。 収穫までは、まだもう少し。 これから袋の中でゆっくりと熟し、美味しさをぎゅっと閉じ込めていきます。今年も皆さまに「美味しい!」と思っていただけるぶどうをお届けできるよう、一房一房に愛情を込めて育てていきます。

2026/07/07
畑を歩いていると、フェイジョアの花がきれいに咲いていました。 白い花びらに鮮やかな赤いおしべが広がる、とても個性的で美しい花です。思わず足を止めて見入ってしまいました。 フェイジョアは果樹として育てられていますが、花もとても魅力的です。初夏の青空によく映え、畑に彩りを添えてくれています。 この花を見るたびに思い出すのが、ニュージーランドで過ごした日々です。 当時はキャラバンで生活をしながら各地を巡っていました。日本ではあまり見かけないフェイジョアですが、ニュージーランドでは庭先や公園など、さまざまな場所で見かける身近な果物でした。秋になると実が自然と地面に落ち、それを拾って食べるのが楽しみだったことを今でもよく覚えています。 甘く爽やかな香りと、スプーンですくって食べるやわらかな果肉。初めて食べたときは、日本では味わったことのない風味に驚いたものです。 そんな思い出のあるフェイジョアが、今こうしてdeai orchardの畑で花を咲かせている姿を見ると、遠く離れたニュージーランドでの暮らしが昨日のことのようによみがえります。 植物には、不思議な力があります。一輪の花や一本の木が、その土地で過ごした時間や、そのとき感じた空気まで思い出させてくれることがあります。 今年もこの花が実を結び、収穫できる日が今から楽しみです。 畑で育つ果物には、それぞれ物語があります。フェイジョアもまた、私にとって大切な思い出が詰まった特別な果樹のひとつです。

2026/06/11
先日の毛虫騒動に続いて、畑で見つけたのは小さなお客さま。 葉っぱの上でちょこんと休憩している雨蛙さんです。 収穫や草取りに追われていると、つい足元や手元ばかり見てしまいますが、ふと顔を上げるとこんな可愛らしい姿に出会うことがあります。 鮮やかな緑色の体は葉っぱによくなじんでいて、気をつけて見ないと見逃してしまいそう。それでも、一度見つけると存在感は抜群です。 じっとしている姿はまるで「ここが私の定位置です」と言わんばかり。 先日出会った毛虫は、人差し指ほどの太さがあってなかなかの迫力でした。収穫中に見つけたので驚かされましたが、今回の雨蛙さんはまったくの正反対。 見つけた瞬間に思わず顔がほころびます。 畑には本当にたくさんの生きものが暮らしています。同じ「お客さま」でも、歓迎される子と少し遠慮してほしい子がいるのは正直なところですが、それも自然の中で作物を育てる面白さなのかもしれません。 雨蛙さんはしばらく葉っぱの上でのんびり過ごしたあと、気がつくと姿を消していました。 忙しい作業の合間に、少しだけ心を和ませてくれた小さな癒しの時間。 またどこかで会えるといいなと思います。

2026/06/11
畑では、ぶどうの枝の剪定作業を進めています。 ぶどうを育てていると、春から夏にかけて驚くほど勢いよく枝が伸びていきます。そのままにしておくと葉が混み合い、風通しや日当たりが悪くなってしまうため、不要な枝を整理していくことが大切な仕事のひとつです。 剪定ばさみを片手に一本一本の枝を見ながら、「この枝は残そうか」「こちらは切ろうか」と考えていきます。単純な作業に見えるかもしれませんが、実はなかなか奥が深く、ぶどうの木の状態や今後の成長を想像しながら進めています。 枝を切るのは少しもったいないような気持ちになることもあります。せっかく元気よく伸びているのに、と思うこともありますが、木全体の健康や果実の品質を考えると必要な作業です。 人間も荷物を抱えすぎると動きにくくなるように、ぶどうの木も枝や葉が多すぎると力が分散してしまいます。余分な部分を整理することで、残した枝や実にしっかりと栄養が行き渡るようになります。 作業をしていると、切り落とした枝が足元にどんどん積み重なっていきます。その様子を見ると、木の中にどれだけの生命力が詰まっていたのかを改めて感じます。 派手さはありませんが、美味しいぶどうを育てるためには欠かせない剪定作業。一本一本の木と向き合いながら、これからも丁寧に手をかけていきたいと思います。 収穫の時期には、このとき残した枝や葉が太陽の光を受けて育ち、美味しいぶどうを実らせてくれるはずです。そんな未来を思い描きながら、今日も畑で鋏を動かしています。

2026/06/10
収穫かごの中が、少しずつ青く染まってきました。 畑で一粒一粒、丁寧に摘み取ったブルーベリーたちです。 冬の間は葉を落とし、まだ寒さの残る春には小さな花を咲かせていたブルーベリー。その花が実になり、少しずつ大きくなり、ようやく収穫の時期を迎えました。 収穫を始めたばかりの頃は、かごの底が見えていたのに、作業を続けているうちに気づけばたくさんの実でいっぱいになっています。かごの中で重なり合う濃い青色の実を見るたびに、「今年もここまで来たなあ」と嬉しい気持ちになります。 ブルーベリーは、一度にすべての実が熟すわけではありません。同じ枝についていても、まだ赤みが残っている実もあれば、濃い青色になって食べ頃を迎えた実もあります。そのため、一粒ずつ色や張りを確かめながら、熟したものだけを選んで収穫していきます。 地道な作業ではありますが、その積み重ねが美味しいブルーベリーにつながります。 畑では毎日さまざまな発見があります。毛虫に驚かされたり、葉っぱの上で休憩する雨蛙に癒されたり。自然の中で作物を育てていると、思い通りにならないこともありますが、その分だけ季節の移り変わりや生きものたちの存在を身近に感じます。 そんな畑で育ったブルーベリーが、こうしてかごいっぱいに集まっている姿を見ると、なんとも言えない達成感があります。 これから収穫はますます本格化していきます。一粒一粒に太陽の光と畑の時間が詰まっています。 今年のブルーベリーも、皆さまに美味しく味わっていただけますように。そんな思いを込めながら、今日も畑で収穫を続けています。

2026/06/09
ブルーベリーの収穫が始まりました。 一年かけて大切に育ててきた実が、ようやく食べ頃を迎えています。木には濃い青色に色づいた実がたくさん並び、収穫かごを持つ手にも自然と力が入ります。 そんな収穫シーズンの畑では、思わぬ出会いもあります。 先日、いつものようにブルーベリーを摘もうと手を伸ばした瞬間、枝の先に何やら違和感が。よく見てみると、人差し指ほどの太さもある大きな毛虫が、堂々とブルーベリーの木にしがみついていました。 実を見ていたので、危うくそのまま触ってしまうところです。 思わず「うわっ」と声が出ました。 毛虫は見た目のインパクトもさることながら、収穫作業中にうっかり触れてしまう危険もあります。そこで近くに落ちていた枝を拾い、そっと毛虫を木から落として駆除しました。 畑では、作物を育てているのは人間だけではありません。虫たちもまた、この季節を待っていたかのように活動しています。ブルーベリーの実を狙うもの、葉を食べるもの、そして今回のように収穫作業をびっくりさせるものまで、本当にさまざまです。 自然の中で作物を育てるということは、こうした生きものたちとの付き合いでもあります。時には驚かされ、時には困らされながらも、その季節ならではの風景を感じています。 これから収穫は本番です。 甘く実ったブルーベリーを皆さまにお届けできるよう、毛虫にも負けず、一粒一粒ていねいに収穫していきます。

2026/06/09
畑を歩いていると、ふと足元に白いまるいものを見つけました。 たんぽぽの綿毛です。 鮮やかな黄色い花が咲いていたと思ったら、いつの間にか綿毛へと姿を変え、風を待っています。 畑では雑草として扱われることも多いたんぽぽですが、こうして綿毛になった姿を見ると、つい手を止めて見入ってしまいます。 ひとつひとつの綿毛が小さな傘のようについていて、風が吹けばふわりと空へ舞い上がる。その様子は何度見ても不思議で、どこか心を和ませてくれます。 もちろん農家としては、綿毛が飛ぶということは新しい種が運ばれていくということ。畑の管理を考えると、のんびり眺めてばかりもいられません。 それでも、自然の営みの美しさには敵いません。 作物を育てる畑には、ブルーベリーだけでなく、さまざまな草花や虫たちも暮らしています。時には困らされることもありますが、その季節ごとの風景に出会えるのは、この仕事ならではの楽しみかもしれません。 今日も畑の片隅で、たんぽぽの綿毛が風を待っています。 どこまで飛んでいくのでしょうね。

2026/05/11
【1月のある日 冷たい空気と、あたたかいお弁当】 「さむ…」 思わず、息と一緒に言葉がこぼれた。 手袋をしていても、指先がじんとする。 畑の土も、どこか固くて。 踏むたびに、冬の音がする。 作業をしていると、体は少しずつあたたまってくるけれど。 最初の一歩が、どうしても重たい。 「今日はなかなかやな」 妹も肩をすくめながら言う。 「ほんまやね。でも、この寒さはちょっと安心するわ」 そう返すと、妹が少し不思議そうな顔をした。 冬は寒くて、正直しんどい。 でも、このきちんとした寒さがあるからこそ。 木も、ちゃんと休める。 虫も落ち着いて、春の準備が整う。 もし、この寒さがなくなってしまったら。 ふと、そんなことを考える。 四季が少しずつ曖昧になっていって。 冬なのにあたたかくて、春が急に来てしまうような世界。 「それ、ちょっと怖いな」 「やろ?」 想像するだけで、胸の奥がざわっとする。 当たり前に巡っているものが、当たり前じゃなくなること。 それが、こんなにも不安になるとは思わなかった。 だからこそ、この冷たい空気も。 少しだけ、大事に思えるのだ。 「お昼にしよか」 父の声で、作業を止める。 今日は少し特別なお弁当だ。 包みを開けると、チキンカツ。 しっかり衣がついていて、見るだけで嬉しくなる。 「え、今日すごない?」 妹が目を輝かせる。 「豪華やなあ」 冷たい空気の中で食べるチキンカツは、いつもよりずっとおいしい。 かじると、じんわりと味が広がる。 そして、お味噌汁。 湯気が、ふわっと立ち上る。 「これが一番やな」 一口飲むと、体の奥までじんわりあたたかくなる。 「はぁ…あったまるなあ」 妹がほっとしたように言う。 「ほんまに」 さっきまでの寒さが、少しだけやわらぐ。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 5月の畑。 新緑がやわらかく光っていて。 風もあたたかくて、作業していても心地いい季節。 同じ場所なのに、まるで違う顔をしている。 今はまだ、枝だけの景色だけれど。 この寒さを越えた先に、あの緑がある。 そう思うと、この冬の一日も、ちゃんとつながっているのだと感じる。 寒いのは、やっぱり大変だ。 でも、この寒さがあるからこそ。 春も、初夏も、あんなに気持ちいいのだろう。 畑には、作物だけじゃなく、こんな時間も育っている。

2026/05/11
「…あれ?」 ブルーベリーの枝を見ていて、ふと手が止まった。 去年のまま、取り残されていた実。 すっかり色も抜けて、小さく縮んでいる。 触れてみると、やわらかさはなくて。 でも、崩れることもなく、ちゃんと形を残している。 「ドライブルーベリーみたいやな」 思わず、そんな言葉が出た。 少しだけ、かわいらしいと思ってしまう。 本来なら、収穫されて誰かに食べられていたはずの実。 それがこうして、静かに枝に残って、時間を過ごしていたのだ。 「これ見てほしいな」 そう思って、すぐに姉にLINEを送る。 写真も一緒に。 『去年の忘れ物、こんなんなってた』 少しして、返事が返ってくる。 『ほんまや、かわいいやん』 その一言で、なんだか嬉しくなる。 誰かと共有すると、こういう小さな発見も、ちゃんとした出来事になる。 顔を上げると、ふと隣の畑が目に入った。 柿の畑だ。 ついこの前まで、草が少し残っていたはずなのに。 今日は、見違えるようにきれいになっている。 地面がすっと整っていて。 余計なものがなくて、木の姿がきれいに見える。 「すごいなあ…」 思わず、声が漏れる。 「めっちゃきれいやな」 妹も同じ方を見ながら言う。 「手入れ、ちゃんとしてはるんやろな」 その場で、思わず写真を撮る。 ただ整っているだけじゃなくて。 大事にされている感じが、ちゃんと伝わってくる。 木も、土も、どこか誇らしげに見える。 「うちも、こんなんにしたいなあ」 ぽつりとつぶやく。 「できるやろ」 妹があっさりと言う。 「やるだけやで」 その言葉に、少しだけ背中を押される。 さっき見つけた、小さなドライブルーベリーも。 隣のきれいに整った畑も。 どちらも、この場所で流れている時間の一部だ。 見過ごしてしまうこともあるけれど。 ちゃんと目を向けると、いろんな表情がある。 一つひとつ、大事にしていきたいと思う。 畑には、作物だけじゃなく、こんな時間も育っている。