この度は、大変厳しい評価を頂き、ありがとうございました。私どもの真意が伝わらず、努力不足を痛感しております。

当店の製品は、70％が天草の生の魚からすり身を製造し、用いております。一部、宮城県の高政水産様のミャンマー工場で製造されるシログチの無リンすり身を活用しておりますが、高政水産様の高い技術を信頼した上でのことです。もちろん、先の東日本大震災の折に大きな被害に遭われた水産業者様でもあり、そのご努力に敬意を表して復興の後押しになればとの想いもございます。

では、何故100％を生魚から作らないのか、という疑問をお持ちになるかも知れませんが、毎日水揚げされる魚種は異なります。もちろん時化が続くと、出漁もできなくなり、製造そのものができません。つまり、30％を白グチの無リン冷凍すり身を用いることによって、年間を通して安定した製品をお客様にご提供し、「製造できない」という状況を回避しております。

天草の生魚100％を用いた「天領」という製品もございますが、こちらは原料が安定して水揚げされる期間（10～5月）のみの限定製品で、時化が続く時は販売できなこともあり、ご注文を頂いてもお断りすることもございます。

当店の製品を召し上がって下さっている多くのお客様が、「旨味が違う」「ダシが出る」と言って下さるのは、間違いなく天草の魚を七割用いているからです。なお、食品の原材料名の表記は、用いております量の多い順番で記載することが義務付けられており、原材料名の表記は「天草産、ミャンマー産」と正しく表記致しております。

当店は、正直に用いております原料を記載致しております。「ミャンマー産」という表記だけで厳しい評価を下さるのは大変残念ではございますが、ミャンマーで日本人技術者がどれほど熱心に指導しているか、また、その現場で働く方々の仕事の丁寧さは、すり身を活用してみれば分かります。なぜなら、私たちは毎日、自分たちですり身を製造しているからです。

現在、この日本では、自社で魚からすり身を作っている蒲鉾屋は、ほんの数える程となっております。私たちは今後も、百年近く培って参りました先人たちの技術を継承し、また、グローバル化された時代の中で、良いものは積極的に用いていくという姿勢で製品作りを行って参りたいと存じます。

貴重なご意見には、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。