和泉農園について

愛媛県松山市の山間で伊予柑自然栽培で育てています

愛媛県松山市の山間で肥料や農薬を使わない自然栽培で農業を営んでおります。 主に育てているのは、特産品の宮内伊予柑(みやうちいよかん)です。 愛媛県で伊予柑の栽培が始まって100年以上慣れ親しんだ柑橘で、香りがよく酸味と甘みの絶妙なバランスが特徴です。 農薬不使用なので、皮はマーマレードやピールにもお使い頂けます。 今は少量ですが野菜も栽培しており、自然栽培では肥料を使ったときにでる雑味のようなものがものがなく素材そのものの味がします。 品種も在来のものを中心に育てているので収穫量は少なくなりますが、味重視の美味しいものが育ちます。

農業が好きで祖父母の畑を継ぎ、自然栽培で伊予柑を作り始めました

私は幼い頃から農業が大好きで、祖父母や周囲の方々が農業をしていたこともあり、伊予柑の収穫を手伝ったり、空きスペースを借りて野菜を育てたりして遊んでいました。 小学校の頃には既に無農薬で農業をやりたいという夢がありました。 その頃の自分が無農薬まで意識していたのは、環境問題や食に少し意識のあった母が「農業するならこれからは無農薬がいいね!」と言っていたからかなと思います。 さらに大学の図書館で肥料も農薬も使わない自然栽培について書かれた本を見つけ、それまで自分が思い描いてきた農業とばっちり重なり実践をするようになりました。

場所が変われば作り方も違うはずで、あまり遠い場所で学んでも参考になることは少ないと考え、愛媛の大学で農業を専攻し、卒後業後は徳島県の若葉農園で2年間自然農法を学びました。 農業は大変だからやめておけ、ましては肥料や農薬もつかはないとなると、、、と祖父母や周囲の農家さんから厳しいお声もずっと頂いておりましたが、それが逆に原動力となり、2020年5月より地元愛媛で本格的に農業を開始。 最初は祖母が人に貸していた伊予柑畑を返してもらって自然栽培始めました。 そして、農業の厳しさを実感し、特に自然栽培は難しいと痛感します。 それでも、農業が好きという気持ちは変わりません。 周りからは自然栽培に対していろいろと言われることもありましたが、作ったものを食べて納得してもらうしかないと考え農業に取り組みました。 今は他の農地も任せてもらうことができ、徐々に納得してもらえている手応えもあります。 大変なことはたくさんありますが、好きな農業に打ち込んでおいしいという声をいただくのが何よりの励みです。 食に気を付けている方や野菜や伊予柑の本来の味をお求めの方からも喜ばれ、科学肥料など使わない野菜は味が違うと実感しています。

多様な微生物が住む土壌を目指し、環境保全も意識しています

土壌には1グラムあたり数億から数兆の微生物が存在するといわれています。 それらの微生物は土壌中の有機物を分解し、分解された産物が植物の栄養となります。 しかし、土壌に肥料や農薬を投入することで、土に存在する微生物のバランスを崩してしまうという研究結果があります。 和泉農園で5年以上農薬や肥料を一切使用しない畑で、微生物多様性活性値*を株式会社DGCテクノロジーに依頼し調査したところ、全国の土壌の平均的な値である50~70万に対し和泉農園の土はその2倍にあたる133万という値が得られました。 研修先の若葉農園でも、自然栽培のお米の田んぼでは、入ってきたときより出ていく時の方が綺麗になっていたという検査結果が出ています。 多様な微生物は、水を浄化し環境を良くしてくれます。 また和泉農園では刈り終わった雑草も伊予柑ジュースを絞った後の残渣も畑に還元し土に戻しています。 お届けした伊予柑は農薬不使用のため、皮もマーマレードやピールにして無駄なく召して頂けると嬉しいです。

自然栽培の農業を続け、つなげていくことが目標です

小学校の頃からの夢「農家になって無農薬で美味しい野菜や果物を作る」は今も変わらず、畑で農作物と向き合う毎日を過ごしています。 これからも肥料や農薬を使わず、できるだけその土地にあるもので美味しい野菜や果物を作り続けたいです。 現実的には、農薬や肥料を使わずに栽培する中でもちろん難しさを感じることもあります。 また、世界の人口を養って行くには農薬や肥料も上手く使っていかなくてはならないのかも知れません。 しかし、農薬や肥料が土壌中の微生物のバランスを崩し、水を汚していることや、農薬や肥料を使うようになって野菜の栄養価が下がり、アレルギーの人が増えたりしていることを知ると、自然栽培の必要性も感じるのです。 実際に妊婦さんや小さなお子さんのいるお母さん、難病を患っておられる方などから自然栽培のお野菜をお求め頂くことがあります。 私は少しでもそういったお客様のお力になれるよう自然栽培を続けていければと思っています。 そんな風に食にこだわるお客様と出会えたら嬉しいです。 そして、自然栽培で農業をしたいという方がこれから増えた時、自分がお手本となれたらと考えています。 やり方を提案したり、慣行農法の農家さんが肥料や農薬を削減したい時に参考にできるような農園にしていきたいです。