豊岡ナチュラルファームについて

兵庫県豊岡市で自然栽培米を作る豊岡ナチュラルファーム

私たち豊岡ナチュラルファームは、兵庫県豊岡市で肥料も農薬も使わない自然栽培でお米を作っています。 豊岡市は生物多様性を大切にする地域で、コウノトリの野生復帰プロジェクトでも知られている地域です。 私たちが作る旭1号は、明治時代から続く歴史ある品種で、コシヒカリのルーツとも言われる「幻のお米」。 現在、ツキアカリ、コシヒカリ、マンゲツモチ、そして旭1号の4種類のお米を栽培していますが、中でも個人的に一番好きなのが旭1号です。

旭1号は大粒で弾力が強く、噛みしめると穀物本来の自然な甘みが広がります。 コシヒカリのようなガツンとくる甘みではなく、優しく上品な味わいが特徴で、高級寿司店でもシャリとして使われることが多い品種です。 米粒が大きいことから、通常は1.85mmか1.9mmで選別するところを、旭1号は1.95mmという大きめのふるいで選別し、小さな米粒を取り除いています。 これにより、食味と食べ応えのある粒揃いのお米に仕上がります。

また、旭1号は倒れやすく機械で収穫しにくい特性があるため、バインダーという機械で一本一本稲を束ね、稲架かけという昔ながらの天日干し製法で丁寧に仕上げています。 手間がかかるため、全作付面積の約1割しか作れませんが、その分品質にこだわった特別なお米です。 コシヒカリで有機JAS認証を取得しており、旭1号も同等の品質管理を行い安心してお召し上がりいただけます。

精神的にも体力的にも疲弊し前職を辞めたことで始めた農業

私たち夫婦が農業を始めたのは、精神的にも体力的にも疲弊し前職を辞めたことがきっかけでした。 離職後どうしようかと悩んでた時、妻の知人から千葉県での農業研修を紹介していただき、体を動かしてみることにしました。 それまで農業とは全く縁のない生活をしていましたが、自分で作ったものを自分で食べられる幸せは何物にも代えがたいものでした。 どこの誰が作っているのか分からない商品を食べるよりも、自分で作ったものが一番信用できるし、安心して食べられます。 何より、収穫したてのものを食べられる権利は、農家が持っている一番の幸せだと感じています。 その後、研修先が農閑期になり関西に戻りましたが、農業を続けたいという思いから兵庫県の就農セミナーに参加しました。

「自然栽培で米を作りたい」と相談したところ、豊岡市を紹介していただきました。 豊岡市では、千葉での研修で学んだ農業のあり方と同じ取り組みがされており、研修の経験が生かせる場所だと感じました。 そして何より、地元で活躍されている農家の先輩が「わしが全部引き受けちゃるから安心してこい」と親方気質で迎えてくださったことが、移住を決めた大きな理由です。 多くの自治体では「応援しますから頑張ってください」という型にはまった行政支援で実際の農業経営は個人の努力にゆだねられることが多いですが、豊岡市では作業機械の紹介や田畑の取りまとめ、安定収入につながる作付け品種の紹介といった地に足のついた実際の現場からの支援をいただくことができました。 妻も、忙しくて体調を崩しがちだった以前の生活よりも、健康で楽しく生きられる方向を選びたいという思いで、農業を始めることを決心しました。 大変なことは何をしていても付きものですが、それよりも楽しい人生を選択したいと思い、農業の道を選びました。

山や田んぼを守り、次世代へつなぐ

最近の大雨や干ばつの傾向を見ていると、山や川の源流に住む人々が自然を守ることの重要性を強く感じています。 山が水を蓄えて少しずつ川に流すという自然の働きが、人の手が入らないことで滞ってしまっているのではないかと思います。 実際に、山を切り開いてソーラーパネルが設置されたり、田んぼが荒れて保水能力が失われたり、河川が詰まって淀みになっている場所もあります。 こうした状況では、大雨が降るとすぐに下流へ鉄砲水のように流れていってしまいます。

私たち田舎に住む者が、昔ながらの山や田畑を守っていかなければならないという使命感を持っています。 私一人が頑張ったところでどうにかなるものではないかもしれませんが、自分と同じように田舎で頑張っている仲間と手を取り合って、できることをやっていこうと思っています。 今後も試行錯誤を重ねながら、より良いものを作っていきたいです。 そして、こうした思いを共有できる仲間が増えていけば良いなと考えています。 農業を始めて10年、たくさんしんどいこともありましたが、今はすごく良い地点に来たと感じています。 将来が描けるようになり、これからもっと楽しくなるだろうと期待しています。